みなさん普段の生活の中でどれくらい歯の健康状態をチェックできていますか?
うっかり不規則な生活が続いてしまい、その結果、口内に虫歯ができやすい環境が作られ、痛みを自覚するころにはとても深刻な状態になっていることもあるかもしれませんよね。。
そのような状況を正しく理解し、正しく解決できるように、今回は意外と知られていない虫歯の原因とその治療方法について詳しく説明していきたいと思います!
そもそもなぜ虫歯になるのでしょう?
私たちの口内に存在する細菌(ミュータンス菌)は食事後の食べかすである糖質を分解しプラークとよばれる歯垢をつくり出します。このプラークはミュータンス菌の増殖する環境となり糖質を発酵させ酸をつくる活動場所になります。
ミュータンス菌は飲食により活発に活動して数分で酸化し歯のカルシウムを溶かします。このとき、唾液が歯のカルシウムを戻す(再石灰化と言います)よりも酸がカルシウムを溶かす割合が大きい場合に虫歯となるのです。
虫歯の特徴は八割が無症状です。つまり気がつかずに虫歯になっていることが多いのです。歯科医院ではその進行度合によって治療内容が変わっていきます。
虫歯の進行度と治療の方法について見ていきましょう!
1. 初期の虫歯(C0)
初期の虫歯は表面が白く濁った状態です。
予防治療(虫歯の原因を除去し、歯の衛生管理を行うこと)により進行を止めることができます。
歯科医によっては削って詰める治療を行いますが、詰めた隙間から虫歯が重症化し歯の神経まで進んで痛み、神経(歯髄)が死ぬ可能性が大いにあります。そのため削らない治療をすることが重要だと言えるでしょう。この段階が予防を始める大切な機会です。
2. 中程度の虫歯(C1)
エナメル質に穴が開いた状態です。
マイクロスコープを使い拡大して治療します。ほとんど削らずにセメントやプラスチックで埋めていき、隙間なく詰めます。これは歯を磨きやすくする目的があります。その後予防治療を行なっていきます。
3. 重度の虫歯(C2)
虫歯が象牙質まで進行した状態です。
この虫歯もできるだけ削らずに詰めて閉鎖していくことが重要です。
- 症状がない場合 → 埋めて予防治療します。
- 軽い症状の場合 → 歯髄を残すことができます。型取りして詰める又はクラウンを被せた後、予防治療します。
また、重度の虫歯(C2)ではグラスアイオノマーセメントを使った治療を行っています。レジンという接着剤を使用する場合と比較すると隙間ができにくく固まるときに発熱しない、神経がある歯髄組織に負担をかけにくいというメリットがあります。
技術が未熟な歯科医が治療すると、レジン充填で歯髄が壊死し根管治療となるケースが多くあります。
4. 痛みを伴う虫歯(C3)
象牙質から歯髄に進行した状態です。
歯髄を除去する根管治療が必要です。クラウン(金属等で作る人工の歯)を被せて予防治療をします。
5. 末期の虫歯(C4)
さらに治療をせずに放置をしてしまうと、虫歯は末期の状態となってしまいます。このような状態となっても、正確な根管治療と精密な被せものにより救える可能性もあります。
治療でのポイントは?
いずれの虫歯の場合も治療後のトラブルを抑え「できるだけ削らずに」詰めるのが望ましい治療です。これは虫歯の穴を閉鎖して歯を磨きやすくし、メンテナンスのしやすい予防治療をすることを目的としています。
ただし、予防治療は保険制度に含まれないので経済的負担を考える必要があります。
まとめ
このように虫歯は無症状で気が付きにくい場合が多いため、定期的に検診することを心がけましょう。進行に応じた正確な治療を受けてその後の再発防止プログラムである予防治療により健康な歯を長く保つことが大切です!
いつも食事を楽しめる丈夫な歯をつくっていきましょう!