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2024.04.16

歯が欠けた!「歯冠破折」編

歯が欠けた!「歯冠破折」編

歯の欠け方には、どの辺まで欠けるかによって種類が2つあります。

  • 歯茎からで浅く欠ける「歯破折」→しかんはせつ
  • 歯茎のまで深く欠ける「歯破折」→しこんはせつ

患者さん:欠けたくらいでも噛めるし、欠けたままにしてたらダメですか?

Dr:歯は欠けたままだと、欠けた箇所からヒビ割れが進行します。
そして、そのうち折れたり虫歯になることもあり、小さく欠けたとしても早めに治療しましょう。

今回は、歯茎の上で欠ける「歯冠破折」をご説明します。

歯冠破折(しかんはせつ)について

前歯か奥歯か、欠ける部位で原因が、
またどの程度欠けたのか、欠け方で治療方法がそれぞれあります。

前歯が欠ける原因

① こけた、ぶつけた等の外傷
② 硬いものを噛んだ
③ 寝ている時のくいしばり、歯ぎしり

前歯の治療について

前歯の治療その1◎小さく欠けたとき

前歯が写真のように小さく欠けた場合には、樹脂(レジン)を使って小さな欠け部分を補填します。
この治療をレジン充填といいます。

前歯の治療その2◎欠けた部分を保管している場合

欠けて落ちた歯を保管、所持している場合。
欠け落ちた部分をそのまま歯に歯科用接着剤でくっつけて治療します。

ある程度欠けたとしても諦めて捨てないように。歯医者に持参、相談してください。
写真のようにきれいに接着できます。

前歯の治療その3◎神経(歯髄)があるところまで大きく欠けたとき

死んだ神経を切除(根管治療)した後、被せ物(クラウン)を作成します。

せっかく作るクラウンを長持ちさせたいなら、正しい根管治療が必須です!!!
詳細は▼

奥歯が欠ける原因

奥歯が欠ける原因① 硬いもの噛んだ
神経を取り、もろくなっている歯で生じることが多いです。

奥歯が欠ける原因② 虫歯
歯の隣あった面から症状を感じないまま虫歯が進んでしまったケースで生じることが多いです。

奥歯が欠ける原因③ 寝ている時のくいしばり、歯ぎしり
近頃ではPCスマホの使用やストレスにより、くいしばり・歯ぎしりが増え、写真のようなヒビ割れるケースが多くみられます。

歯ぎしりでヒビ割れた奥歯

奥歯の治療について

奥歯の治療その1◎小さく欠けたとき

レジン充填:樹脂(レジン)で小さな欠け部分を補填します。
インレー充填:型取りをして詰め物(インレー)で補填します。レジン充填で覆う範囲を超えて欠けているときに適応となります。

奥歯の治療その2◎神経(歯髄)があるところまで大きく欠けたとき

精確な根管治療をした後に、被せ物(クラウン)を作成します。

奥歯の治療その3◎歯の根まで完全に割れたとき

写真の青い矢印に沿ってヒビ割れているのが見えますか?
このように歯の根まで欠けていることが分かったら、修復はできません。これは抜歯になります。

この写真のケースでは、根だけ残るように折れてしまっているので、抜歯のために歯茎を切除してあります。
(歯茎は自然に治癒していきます。)

◎くいしばり、歯ぎしりのある方の治療について

ストレスや目の疲れ等が原因で、脳をほぐすために、人は無意識にくいしばりや歯ぎしりをします。(特に就寝時)

くいしばり・歯ぎしりの根本原因を減らすことに加え、歯そのものには夜間のマウスピースで保護することをお勧めします。

マウスピースをしないと、直に歯がダメージを受けてヒビ割れたり欠けたりするのです。

消耗されたマウスピース
歯ぎしりで消耗されたマウスピース

マウスピースには、くいしばりや歯ぎしりの程度に合わせて、2mm厚・3mm厚があります。
さらに詳しく▼