痛い虫歯、痛くない虫歯、手遅れの虫歯。虫歯にも色々あります。
誰だって虫歯ゼロがいいはず!
虫歯のでき方(メカニズム)から、
虫歯にならないために今日からできる3つのことを解説します。
虫歯のでき方(メカニズム)
pH5.5で歯の表面のミネラルが溶け出し、段々と歯に穴が開いていきます。
これが虫歯です。
口の中が酸性だと、虫歯になっていくということですね。
では、どういうときに口の中が酸性になると思いますか?
ここで1940年のステファン&ミラーによる有名な研究を紹介します。
これらの図をステファンカーブといいます。歯垢のpHを測った図です。
※歯垢(しこう)・・・プラークともいう。歯についている細菌の塊(ミュータンス菌など)。
ステファンカーブから、食後や間食後に口の中が酸性になることが分かります。
食後や間食での糖が、細菌のエサになる
↓
細菌によって糖(エサ)が分解・代謝されて乳酸(酸性)になる=酸性の状態。
この酸で歯のミネラルが溶け出します。
ミュータンス菌などの細菌は常在菌なので、人間は共生していくことしかできません。
要は細菌を増やさないようコントロールすればいいのです。
プラークコントロールをしよう
こういう人は要注意!細菌にとっては好都合。
口の中が長く酸性になるので、虫歯が進行しやすいです!
- 甘いものが好きな人
- 上手な歯みがきを知らない人
- よく噛まないで食べる人
当てはまるものはありますか?
1.甘いものが好きな人
さらに甘いものを・・・
- ショ糖(=白砂糖)のような、砂糖の中でもべっとりしたものを好んで食べる
- たくさんの量をだらだらと時間をかけて食べる
- 食べる回数が多い
こういうのは歯にとっては最悪です。
対処法
- 口内の酸性状態を続けない
→甘いもの(間食、糖入り飲料など)を食べる・飲むときは、種類・量や時間・回数を気にして。
→食べた後はフッ素入り歯磨き剤で歯磨きを。 - 定期的な予防歯科を受診する
→予防歯科では高濃度フッ素塗布をします。すると、砂糖の影響を受けにくい丈夫な歯になります!
2.上手な歯みがきを知らない人
上手な歯みがきを知っていますか?親から教えてもらうのとは訳違います。
ちゃんと磨いているつもりでも、歯医者から見れば実は9割以上の人は磨けていません。
磨けていないところは菌の温床。磨きレベルが低いと虫歯はすぐできます。
歯を上手に磨けないのは、ちゃんと歯の磨き方を教わる機会がなかっただけです。
対処法
- 定期的な予防歯科を受診する
→歯医者から歯の磨き方を教えてもらえる予防歯科に通えば、磨きレベルは自然と上がっていきます。
※知識のある歯科医から直々に教えてもらうこと。歯科衛生士から教えてもらうのは似非(エセ)が多いので注意。
当院の予防歯科では、染め出し→歯みがき指導→プラークの掃除→高濃度フッ素塗布を行います。全行程院長が担当し、虫歯ができにくい歯にしていきます。
予防歯科に通うことに加え自宅で手軽にでチェックする方法として、プラークチェッカーを使うのもいいかもしれません。当院でもミニサイズを販売しています。
歯間や歯茎の間が真っ赤に染まることに驚くと思います。 赤く染まったところは普段から磨けていない箇所です。重点的に磨くように意識してくださいね。
3.よく噛まないで食べる人
唾液量の多い人は虫歯ができにくいです。
その理由は、細菌によって出される酸が唾液によって中和されていくから。
唾液にはpH調整能力があり、これを唾液の緩衝能ともいいます。
よく噛まないで食べると、唾液があまり出ず食事が終わってしまいます。
歯医者では、唾液が出にくい人にはガム等を噛むことで唾液を増やすトレーニングを指導することもあり、普段からよく噛むようにすれば、唾液が出やすくなっていきます。
対処法
- よく噛んで食べる。
→1口30回は噛んで、唾液の出やすい体質に。ガムなどを使っても◎
まとめ
どれも歯のことを意識すればできることでしたね!
虫歯にならないために今日からできる3つのこととは、
- 甘いもの(間食、糖入り飲料など)を摂取するときは気をつける。:砂糖の種類・食べる量や時間・回数を気にする。食後は必ずフッ化物配合歯磨き剤で歯みがきをする。
- 定期的に予防歯科に通う。:上手な歯みがきを教わる。高濃度フッ素塗布で虫歯に負けない丈夫な歯にする。
- 1口30回噛んで食べる。:唾液が出やすくなり、細菌による酸を中和させる。
虫歯ゼロで美味しい食べ物を美味しく食べましょう^^