「虫歯になるから、甘いものを食べちゃダメ」とは、
頭では分かっていても、甘いもの好きには耳の痛い話。
甘いもの好きさんに向けて、
- 虫歯と砂糖の関係
- 甘いものと上手く付き合う方法
- 甘いものを食べても虫歯になりにくい方法
これら3つについて解説します。
虫歯と砂糖の関係
砂糖が虫歯の原因になることはこちらで書いた通りです。
さらに虫歯と砂糖の関係について詳しく、歴史上有名な、人での実験研究を紹介したいと思います。
1946年~1951年にかけてスウェーデンのグスタフソンらによる精神病院でのVipeholm研究です。
トフィーとは、バターと砂糖を煮詰めて作ったお菓子のことです。スクロースは、ここではジュースとかその程度のさらっとした糖分になります。コントロール群は特定の糖分を特に与えないグループです。
このVipeholm研究の図は、グラフの上昇度で砂糖の影響を見ます。
その上でこの図からわかることは、
- 砂糖の多い順に虫歯が多い。(24個トフィー>8個トフィー)
- 虫歯の数が少ないのは、ほとんど糖のない食事だった。(スクロースやコントロール)
- 歯に付着しやすい食べ物は、最も虫歯の進行が早かった。(トフィーやキャラメル)
- 糖摂取頻度は、虫歯の進行に影響した。(間食摂取群に虫歯がより進行)
このVipeholm研究により、初めて糖と虫歯の関係が確認されました。
甘い食べものは、虫歯を作るということです。
- ショ糖(=白砂糖)のような、砂糖の中でもべっとりしたものを好んで食べる
- たくさんの量をだらだらと時間をかけて食べる
- 食べる回数が多い
こういう食べ方をする人はより虫歯になりやすいと言えます。
甘いものと上手く付き合う方法
次にこちらのグラフをご覧ください。
左軸赤:西洋工業国において年間砂糖消費量は、どの年もだいたい40㎏前後で安定している。
右軸青:年間にできる虫歯の数は、4本から1本へと減少した。
1983~1994年にかけて砂糖消費量は安定しているにも関わらず、虫歯の数が減っていることがお分かりいただけたでしょうか。
先ほどのVipeholm研究では虫歯と砂糖が関係しているということだったのに、このグラフでは虫歯の数だけ減っている・・・。
なぜだと思いますか?
この期間におきた虫歯の減少は、フッ化物配合歯磨き剤での歯みがきが広まったから。
フッ化物配合歯磨き剤には、虫歯を予防する効果があるのです。
甘いもの好きな方は絶対に、フッ化物入りの歯磨き粉を選ぶようにしてください。
スイーツの食べ方に気を付けて!だらだらと長時間食べ続けない。食べるときはスパッとたべて、すぐフッ化物配合歯磨き剤で歯を磨くことが大切!
フッ化物配合歯磨き剤での歯みがき
ライオンのCheckUpシリーズは、味の種類が豊富でペースト以外にもジェルタイプもあります。選択肢が多くおすすめですよ。
年齢によって選ぶフッ素濃度が違います。数値をよく見て選んでくださいね!
- 大人は1450ppm。ペースト、ジェルそれぞれミント系があります。
- 子ども:6か月~5才は500ppm。バナナ味とパンダさんのぶどう味があります。
- 子ども:6才~14才は1000ppmを目安に。CheckUpだと950ppmですね。動物のシリーズ・ピーチ・グレープ・レモンティーの色々な味が揃っています。
- 歯磨き剤をつける量や、歯の磨き方はこちらを参考に。大人の歯磨き/子どもの歯磨き
甘いものを食べても虫歯になりにくい方法とは
自宅でフッ化物配合歯磨き剤で歯みがきをすることに加えて、
さらに、歯医者で高濃度フッ素を塗布することにより虫歯を防ぐことができます。
これを予防歯科と言います。
高濃度フッ素が虫歯予防に効果的と言われる理由は、
フッ化物がイオンの状態で酸を作る細菌の活動を抑制する効果があり、
歯の脱灰を抑制し再石灰化を促すことができるからです。
これらの効果は、濃度が高いほど有効であることが分かっています。
要するに、高濃度フッ素塗布は歯を丈夫にするのです。
※脱灰(だっかい)・・・酸によって歯のミネラルが流出すること。
※再石灰化(さいせっかいか)・・・流出したミネラルが歯に戻ること。唾液やフッ素によって再石灰化しやすくなる。
日常的に甘いものを食べる人は、定期的に予防歯科に通うこと。
高濃度フッ素塗布によって糖に負けない丈夫な歯になっていきます。
まとめ
甘いものは虫歯の原因になるけれど、食べ方や歯磨き剤を気にしたり、予防歯科に通うことで虫歯は防げます。
歯を意識しながら、甘いものを食べられるといいですね!