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院内設備

2021.09.25

【マイクロスコープ】のこと知っていますか?

【マイクロスコープ】のこと知っていますか?

マイクロスコープとは?

歯医者で使うマイクロスコープとは、歯科用顕微鏡のこと。
LED光源による明るい視野下で10~40倍に拡大して見ることができる機器です。

マイクロスコープは、限りなく正確な治療をするために、
根管治療をはじめ、歯周病治療や虫歯治療、
クラウン等の被せ物や詰め物を隙間なくはめる治療などに、幅広く使用されます。

マイクロスコープによっては、カメラ機能が付いていて治療経過を撮影できるので、
患者さんは自身が見えない口の中を、見える形で歯科医から説明を受けられるのは、治療に説得力も増しますよね。

しかしながら、マイクロスコープ本体は高額で、なおかつ導入も必須ではないことから、
全ての歯医者に備わっているわけではありません。
また、マイクロスコープを使いながら治療するには慣れも必要で、それなりの技術がないとできません。

マイクロスコープを使うメリット

  • 明るく見える → 根管の奥のほうまで見ることが可能
  • 大きく見える → 正確な治療を限りなく可能に行える
  • 治療経過が分かる → 治療に説得力がある

マイクロスコープのデメリット

  • 本体がとても高額・導入はオプション → 全ての歯医者が持っているわけではない
  • 使いながら治療するには技術が必要 → 一朝一夕で使えるようになるわけではない
  • 青木歯科では、ドイツLeika(ライカ)社製の高性能マイクロスコープを使用しています。
  • 当院長のマイクロスコープ使用歴は20年以上です。

マイクロスコープ必須の治療ケース

よくある治療ケースをざっと紹介します。

1.エナメル質にできた虫歯治療

エナメル質に穴が開いている虫歯の場合は、埋める治療&予防治療だけで進行が止められます。
穴が開いているかどうかの確認が決め手!削る必要は全くないのです。

マイクロスコープを使わない治療では、ご自身の歯が大きく削られる可能性大。
削りすぎは、歯がもろくなって歯の寿命が縮まりかねません。

このように肉眼やルーペでは発見できない小さな穴が、マイクロスコープを使うことで発見できます。

虫歯について詳しくはこちらにまとめてあります。

2.被せものや、詰め物をするケース

僅かな隙間でも、そこから菌が入って虫歯になる原因に。
被せたり詰めるときは、歯との隙間がないように、適合をきちんと確認する必要があります。

肉眼やルーペでは、隙間を見逃す可能性や、
適合を確認しきれず、歯を削りすぎることがあるので注意してください。

マイクロスコープでは、可能な限り隙間のない治療ができ、最小限の削りでOKです。

3.根管治療

歯の根の中を「いかに無菌化でちゃんと清掃するか」が、根管治療の成功を左右します。

ラバーダムの隙間チェック・細くなった歯根の発見・歯根内の汚染物質の除去など、
精密な根管治療には、ラバーダムはもちろんマイクロスコープの使用は必須です。
(緑色のシートがラバーダム。)

肉眼の視野
【肉眼の視野】根管は全く見えません。
マイクロスコープからの視野
【マイクロスコープからの視野】細い根管が奥までしっかり見えます。

しかし悲しいことに、依然とラバーダムもマイクロスコープも使わず根管治療をする歯医者が多いです。

そういう歯医者さんで根管治療を受けてしまい痛みが引かず(要は、根管治療の失敗)、
根管治療のやり直しに当院に来る患者さんも多いのです。

根管治療について詳しくはこちらにまとめてあります。

4.歯根破折があるケース

歯根破折とは、歯根にヒビが入ること。噛む力の強い人にある傾向です。
レントゲンにヒビは写らず、根管治療の際にマイクロスコープ使えば発見できます。
赤い印のところにヒビが入ってるのを確認できます。

歯根破折の写真1
歯根破折の写真1
歯根破折の写真2

ヒビがあるまま根管治療を完了しても、炎症が止まることはないので、
歯根破折は基本的に抜歯になります。

マイクロスコープ無しではヒビを見落として、しないほうがいい根管治療をしてしまうことになりかねないのです。

5.歯周病治療

歯周病は、歯周病菌の取り残しがある限り治癒しません。
歯石除去・手術時の歯根清掃など、肉眼やルーペでは確認できるレベルが違います。
マイクロスコープを使えば、治療成績が絶対的に向上します。

Dr.からのまとめ

日本国内ではまだまだマイクロスコープを使わない歯医者がかなり多いのが実情。
正確な治療を受けたい患者さんは、マイクロスコープについて理解と技術のある歯医者を選びましょう。