歯をなくしてしまう人の多くの共通点といえば歯磨きレベルが低いこと。
歯根の破折や重度の虫歯による抜歯や根管治療の失敗、歯周病の重症化などなど。
歯を失ってしまうことは、少なくありません。
歯をなくしたときは、なくした箇所をどうするか?
歯を入れる場合、何を入れるのか?
それら選択を検討するときに役立つ考え方をお伝えします。
歯をなくしたらどうすればいい?
歯をなくしたときに、まず検討することは2つ。
- その部位に人工的に歯を入れる。
- その部位はそのまま(なくなったまま)にしておく。
2の、ないままでもOKとは意外だと思う方もいるかもしれませんね。
あったものがいきなりなくなると不便に感じますが、
そこに歯がないといけないという根拠は実はないのです。
歯科先進国の北欧では、奥歯2本を失っても患者さんが希望しなければ治療しません。
そうはいっても、噛みにくさを感じたり、失ったところが前歯とか人から見えるところだと、やっぱり気になるのが正直な気持ち。
そこで、人工的に歯を入れるなら何を入れるのか、方法をご紹介します。
人工歯を入れる場合
次の3つの方法があります。
1.義歯を入れる
義歯とは、入れ歯のことです。
人工的に入れる歯の中でも取り外しできる装置です。
義歯のメリット
- 歯をほとんど削らない
- 治療費が抑えられる
- 総入れ歯なら、歯磨きが下手でもOK
- 体質に左右されない
義歯のデメリット
- 慣れが必要
- 義歯の装着に対して心理的作用を感じることもある
- 歯磨き時、夜の取り外しの手間
2.ブリッジを入れる
ブリッジとは、なくなった歯の隣の歯を削りそれらを土台にして、
それを支えに人工的な歯を被せ固定して作る方法です。
ブリッジのメリット
- 自分の歯のように噛める
- 体質に左右されない
ブリッジのデメリット
- 隣の歯を削る
3.インプラントを入れる
インプラントとは、チタンの土台を骨に埋める外科手術後、
それを支えに人工歯を被せ固定して作る方法です。
インプラントのメリット
- 歯を削らない
- 自分の歯のように噛める
- 総インプラントなら、歯磨きが下手でもOK
インプラントのデメリット
- 成功率は100%ではなく死亡例もあり、少なからず体に負担がある外科手術が必要
- 正確に治療する歯科医が少なく、失敗例が多い
- 治療費が高額
- 体質によって土台がつかない場合がある
- 部分的にインプラントを入れるなら、歯磨きレベルが非常に高くなければならない
どの治療法でも、腕のある歯科医に治療してもらうことは大前提ですが、
入れ歯・ブリッジ・インプラント…どれが良いとか悪いとかではなく、それぞれにメリットデメリットがあります。
では、どのように決めればいいのでしょうか?
治療法に迷ったときに参考になる考え方
治療法を決める要素
- 患者さんのお口の状態
→部分or全部、どれくらい歯を失ってるのか。 - 歯磨きレベルの問題
→歯磨きレベルが低いなら、選択肢は限られてきます。 - 費用、患者さんの好み
→納得できる費用なのか、メンテナンスできるのか等々。 - 治療の技術
→どの治療法でも歯科医の技術がなければ、良いものはできません。さらにインプラント以外は技工士の腕も関係します。→歯医者選びについて詳しく
まず、以上を考慮して決めるのがいいかと思います。
次に、費用・体的に負担の少ない治療を選択するのが合理的な考えです。
負担の少ない治療順は、①義歯、②ブリッジ、③インプラントになります。
負担の大きいインプラントは、最終的に検討します。
というのも、インプラントは必ず成功するとは限らないですから、一番負担の大きい治療法というわけです。
歯を失う前にできること
予防歯科に通えば、虫歯はもちろん歯を失うことすら予防できます!
できるだけ歯を失わず、ご自身の歯で過ごしていくためには、毎日の歯磨きと歯科医院での予防が大切です。