歯が痛いと、多くの人は歯そのものが原因だと思い込みがちです。
しかし、歯科領域での痛みにはさまざまな原因が考えられます。
この記事では、歯が痛いと感じた場合に、歯が原因でない可能性について探り、鑑別診断の重要性について解説します。
歯が痛い3つの原因
1. 歯が原因の場合
- 虫歯
- 歯の破折(折れ、割れ、欠け)
- 歯の根の病気(根管治療の失敗を含む)
2. 歯茎が原因の場合
- 歯肉炎
- 歯周組織炎
3. 顎関節周囲の筋肉が原因の場合
- PC、スマホで目を使い過ぎている
- 姿勢の問題
【顎関節周囲の筋肉のせいで、歯が痛むのはなぜ?】
長時間のパソコンやスマートフォンの使用が増えたことにより、目の疲労や姿勢の問題が増加しています。
股関節周囲の筋肉も影響を受けるので、腰痛などの症状が現れることもあります。
これらが顎関節周囲の筋肉へと伝わり、歯の痛みとして現れるのです。
【どんなふうに痛いのか?】
顎周りの筋肉の不調和が引き起こす痛みでは、噛むときに痛むことが多いです。
この種の痛みには急な痛みと慢性的な痛みの2つのタイプがあります。
急な痛み:ひどく痛みを感じます。これはストレスと連動していることが多く、ストレスの原因が解消されると、痛みも消えることがあります。
慢性的な痛み:こちらは厄介で、偏頭痛などの症状を伴うこともあります。
【どのように治療するべきか?】
顎周りの筋肉に起因する痛みの程度に応じて、適切な治療法が選択されます。
急な痛みのとき: 鎮痛剤や痛む部位に温シップを使用します。
慢性的な痛みのとき:整体など、姿勢の改善に取り組む必要があります。
鏡を見て、首が前に出ないように気をつけることは有効です。
特に、長時間のPCやスマホの使用には注意を払うことが必要です。
25分ごとに5分の休憩を取るなど対策しましょう。
そうはいっても、どうしてもデバイスを長時間使用しなければならない人には、就寝時にマウスピースを使うことをオススメします!
【受診時の注意点】
実は、筋肉からの痛みは鑑別診断が非常に難しく、誤診をする歯医者がいます。
誤診の結果、不必要に歯の神経を取る治療がされたりするのです。
しかし神経を取っても痛みが消えないので、この種の痛みを訴える患者さんは治療後に納得できず、転院を繰り返すことが多々あります。
噛むときに痛むと歯が原因であるかのように錯覚するかもしれませが、歯の神経を取っても痛みが続くときは顎周りの筋肉が原因かも…ということを疑ってください。
最も重要なのは、歯が原因の痛みか筋肉性の痛みかを鑑別診断することです。
歯医者を受診するときは、安易に歯の治療を受ける前に、痛みの原因を正確に特定できる歯医者かを判断してくださいね!